「子育て生活応援団」団長  橘 薫 ●プロフィール
東京都葛飾区出身。OLをしながら保育士の資格を取り、母の実家のある金沢へ移り住む。39歳で双子を出産し、双子を持つファミリーとの出会いをもとに平成7年に多胎児サークル「風っ子KIDS」を設立。
そのスタッフによるボランティア「グループ風」と有償でサポートを請け負う子育て支援「風組」を組織。
(財)いしかわ子育て支援財団の育児サポーター、育児サークルネットワークかなざわのアドバイザーやNPO関連の団体理事などを務める。

団長からのコメント・・・
 <子どもは天からの「あずかりもの」>
 子どもは、天からの「さずかりもの」といいますが、私は「あずかりもの」だと思っているんです。産んだのは親だけど、いっぺん預かっただけ。ちゃんと育てて社会に返す、それが親の役目じゃないかな。「この子は自分だけの子ではない。いずれ一人で社会に帰っていく。その時の為に今何をするべきか?」という覚悟が親、特に母親には必要だと思います。
 <サークルから応援団へ>
 そうはいっても自分自身双子を産み育てた経験を通じて昔とはずいぶん違う子育て環境やそのなかでストレスに悩むお母さんたちの姿を感じてきました。今は親との同居が少ないし、ご近所とのつながりも薄い。特に母親は産後のデリケートな状態にさらに子育ての責任感も抱え込みがちです。そんなとき、母親同士の「ウチもそうだったよ」という何気ない一言でどれだけ安心できるか・・・・。そういう同じ立場の仲間との出会い、支えあいの場を作りたいというのが願いです。少しでも子育てしやすい環境へ、できることから変えていきたいという思いを共有してくれた人たちと、多胎児(双子や三つ子、四つ子)のための育児サークル「風っ子KIDS」の活動を始め、そこから県内の約30サークルをつなぐ「育児サークルネットワークかなざわ」へと広がり、金沢市がまとめた新エンゼルプラン「子育てビジョン金沢21」の中で「子育て生活応援団」がかたちになったのです。応援団の発足には、シングルマザーの会、助産婦さんの会、がんこおやじの会など、さまざまな人が意見をだしあいました。そのあたりを見極めてネットワークがうまくいくようにコーディネートするのが団長の役割。でもこれがなかなか大変!!大人はいろいろ複雑ですから・・・(笑)
 <こころを集めて、未来への人育て>
 母子手帳に双子の欄ができたり、一部無料のベビーシッター補助制度が始まったり、また最近企業側の努力も見られたり、子育て支援の活動は着実に成果を見せています。その一方で虐待や暴力、ひきこもりなど子どもの育ちに関わる気がかりなニュースも聞かれるこの頃、危機感を感じずにはいられません。多分もう今が最後の「人育て」の時のような気がしています。そういう意味で、今、女性も男性も、既婚者も未婚者も子育てにもっと目を向けてほしいと願っています。子どもたちの未来が、そのまま私たちの社会の未来。そう考えると誰にとっても子育ては他人事ではないと思うのです。だからお母さんひとりの問題にしないで、行政を巻き込み、地域を、男性を巻き込んでいきたいのです。私自身本業を持ちながら様々な会議や相談サークルのサポートなどで毎日忙しく娘たちと過ごす時間もしばしばつぶれてしまいます。でも、私がこんなだから、娘たちの方がしっかりしてくることもあります。小さい頃から周囲の何百人という方々にお世話になってきたせいか、二人とも赤ちゃんが大好き!人々の優しさの中で育てられた子どもが成長して次の世代をはぐくむ。子育ては人が人に贈ることのできる最高のプレゼントかもしれません。人はふれあいの中で癒され、元気になるんですよね。これから生まれてくる子どもたちも人が好きであってほしいし、人の中でたくましく生きていける子になってほしい。そのためにも大人たちみんなが力を合わせて子育てを応援していけたらいいなと思います。